再発・転移 / 再発・転移の治療
今回のインタビュー協力者の中では、再発を経験した方は10人中1人しかいませんでした。ここではこの方が再発の治療に関して、初発時の治療とも比較をしながらどのように治療を選択し、続けてきたのかについての語りを紹介します。
乳がんの再発を経験した方は、はじめてのときは全ての乳房を取り除いたけれども、再発したときには、様々な治療法の説明を家族と共に受け、家族の意見をきいて自分で乳房を温存する手術の仕方を選択できたといいます。
・1回目は全摘をして、2回目は娘の意見もあり温存術にしたが、それでよかったと思う(40歳代後半・女性)
この方は、再発した際の治療において乳房温存術にしたことが今となってはとてもよい選択であったと感じています。はじめに乳房切除術を受けたのは1980年代であり、まだまだ乳房切除術が手術療法の主流の時代だったのですが、乳房を失ってしまったことに苦しんだといいます。
・1回目の治療でも温存術ができたなら、取ったことでこんなに苦しまなかったと思う(40歳代後半・女性)
またこの方は、再発した際、温存術による手術療法を受けた後に、抗がん剤治療も受けていますが、吐き気の副作用がひどく、これを繰り返すよりは自分で食事管理などをしたほうがよいと思い、抗がん剤治療を続けない、という選択をしています。
・苦しい思い、特にひどい吐き気をこれ以上経験したくなかったので2,3回目の抗がん剤治療は自分から断った。今は患者会の友達と会えるのが薬。(40歳代後半・女性)