診断時:40歳代後半

インタビュー時:診断から18年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:八戸地域

世帯状況:夫婦のみ

備考:子宮がんも発病 

下↓の▶ボタンをクリックして音声を聞く事ができます。

 

私は入院している間だったか、退院して通院しているときだったかに、乳がんのことが載っている週刊誌を見たんです。顔は写らないでここの部分だけの写真が載ってて、部分的に取るのが始まったころなんです。まだいくらも普及してなかったころです。全部切除した患者さんが、部分でもできるということを知らないで、結局、先生の言うとおりにあれしたという記事だったかなと思うんですけれども。

 

――胸の写真が載っている?

 

そうそう、写真が載っていて、結局ペタっとなったところに傷跡が残っている写真が載っていましたので、私も全部取らないで部分的に取るというあれがあったら、自分がこういうふうになる前だったら、それをお願いできるんだったらと思いました。それはまだ地方のほうでは全然やっていない、中心地でしか何例かしかないというくらいの時期なのか、やるところでは何例かはやっていたかもしれないし、週刊誌に出るくらいだからある程度は進歩し始めたころだと思います。

 

患者さんにしては取らなくて良いのであれば取ってほしくなかったというのが載っていたから、私もそういうことがあるんだったら、これを取っていなかったら、私の人生はまた、変わってこんなに苦しまなくても済んだのにと思ったことがありました。

 

――そうですか。

そうです。週刊誌で。

 

――ちょうど出始めのころだったんですね。一部分だけというのが。

 

そうですね。自分が手術をした後でしたので、やっぱりこういうことってあるのか、知らなかった。この患者さんもそんなふうにあれば、私も全然違うなとやっぱり思いましたね。なくなった自分を受け入れられなかったですもの、本当に。