診断時:60歳代後半 インタビュー時:診断から3年(2009年) 性別:女性 保健医療圏:青森地域 世帯状況: 備考: |
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(髪の毛は)すぐ抜けました。1回目やって10日くらいしたら、そのときはちょうど熱を出して病院に入院していたんですよ。1日か2日でもうガバッと抜けてツルンとなっちゃいました。
――それはどうでした? 抵抗は? 何かうまくおしゃれしましたか。
いや、全然。やっぱりスカーフとか、ちょうど冬であったから、娘が来てくれてたので帽子を買ってきてくれて、ほとんど帽子をかぶっていました。それに冬だったから、自分でも毛糸の帽子とかあるでしょう。そういうのをかぶったり、あとは娘の買ってきてくれた帽子をかぶったりして。
抗がん剤やって放射線やっているとき、さっと生えてきたのかな。抜けるのは早かったけども、生えるのは遅かった。抵抗はあるよね。そして、うちにいれば暑いから、やっぱり何もかぶらないでしょう。お客さんが来て、私がそのままで出ようとすれば、おばあちぁんに、「おかあちゃん、それかぶらないば」って言われて、やっぱり抵抗はあるよね。
――自分では、そのあたりはいいかなと思ったりとか?
病院にいるときなんかも、案外そういう人たちがいるから気にしないんだけども、やっぱりかぶって歩いていないと、晩なんかトイレに行ったりすると、洗面所でビックリするんだよね。
――ご自身がですか?
ううん、だれかがね。やっぱり薄暗いでしょ。そういうときはかぶっていないとね。家にきてからだったら、家にいる限りだったら、どこかに出るとき以外だったら。それでも、かつらを2つも3つも買ったという人もあるんだけども、私は買わないで、かぶるのも暑いしと思ってそのまま。外出のときはほとんど帽子をかぶっていましたけど、かつらとかは一切準備していなかったです。髪が抜けるのも本当に大変だよね。女の人にしてみればね。(笑)まさか、眉まで。自分では髪だけ抜けると思っていたので。
――顔の表情が変わっちゃいますよね。
まつ毛も何もなくなるのね。鼻毛も何もなくなっちゃうから顔が……、でも、みんな女の人だから、眉は書くからいいんだけども。私は最後の最後までサッと残ってたから、あまり化粧もしないほうなもので、そういうのも持っていなかったけども、書かなくてもどうにか間に合わせました。
――苦労するんですよね。
まさか、こういうところまで抜けるとは考えなかったのさ。頭の毛だけ抜けるものだと思っていたの。そしたら、毛という毛が全然なくなっちゃうんだものね。眉もね。
――それは事前には説明はありました? 看護師さんとか先生から。
髪が抜けるというのは聞いていたんだけども、自分でも髪だけだと思って、この辺が抜けるというのは全然気がつかなかった。病院に入っている間に顔の毛を剃ったりするのに大変だと思っていたのさ。そしたら、うぶ毛も何もなくなっちゃう。それはビックリしたの。髪だけのことしか考えていなかったもの。