診断時:40歳代前半

インタビュー時:診断から31年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:上十三地域

世帯状況:

備考: 

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そうです。私の実家はE郡といって、青森県でもへき地のほうなんですよ。そうすると、移動するというのはお金がかかりますよね。だから、何かいい話を聞いても、どこに名医がいるって聞いたって行けないでしょう。どこの病院に行っても同じ治療を受けられるということを、テレビなんかでは言葉では言っていますね。「どこに行っても同じ治療が受けられるように」なんてやっているでしょう。

 

――はい、やっていますね。

 

あれは一時的な表面的なことで、お金がなければできないと私は思います。

 

――やっぱり治療にはお金がかかりますしね。

 

そうですね。その治療の部分にはそんなにお金はかからないけども、ただ、行ったり来たりの交通費とか、それから、がんでも保険が効かない部分がまだたくさんありますよね。そういう部分で、やっぱりお金がないと死ぬしかないと、そう思っています。

 

――Cさんのときは、医療費の問題とかはあったんですか?

 

それは、私は保険のほうでゼロだったんです。

 

――そうなんですか。そのころだからですかね。

 

よその人たちが窓口で薬の代金を払うのを見ると、1万円札ってあまり見ない時代だったんですけども、1万円札を出すんですね。私は「いやあ、すごいな」と思って、幸い私は、そういうのはゼロでした。ただでした。

 

――そうですか。

 

初診料さえ払えば、あとはただでした。おかげさまで。

 

――じゃあ、経済的な部分に関しては……。

 

ええ、それは。あとで、何年かして心のゆとりができて、私は保険を何ぼ使ったもんだべ(いくら使ったのかしら)と思って、社会保険だったと思います。電話したんですよ。「私はどのくらい使ったんでしょう」って。あのころの社会保険事務所は強くて、今は年金で失敗しているから、すごく丁寧なんですけれど、「そんな暇がない。あんた調べたらいいでしょう」というような返事が返って来て。

 

「ああ、そうですか。じゃあ、いりませんよ。私は参考のために、一人にどのくらいかかるものか調べたかったものですから」と電話で大笑いしたことがありますけれども。確かに、ただってことはないんですよね。保険から何百万円って出ているんでしょう。

 

――そうですね。

 

だから、私はそれを知りたいと思ったんです。今だったら、ちゃんと使った報告書があるでしょう。だからわかるけど、そのころは何もないんです。

 

――そうですよね、気になりますよね。

 

今は国保なんか使えば、ちゃんと、月ごとに何年の何月は家族のだれがと通知書が来るでしょう。私はこんなに保険を使っているんだと思うんですけれど、そういうのも何もない時代でした。それに比べたら今はすごく進んでいますよ。だから、早期発見、早期治療だと何も怖くないと私は思います。