診断時:50歳代後半 インタビュー時:診断から18年(2009年) 性別:女性 保健医療圏:上十三地域 世帯状況: 備考: |
下↓の▶ボタンをクリックして音声を聞く事ができます。 |
別にあれだったですけど。よその人たちに、「なんもあんた、そんなに一生懸命働いて、がんをやったなんて、そういうふうに何も見えないよ」ってみんなに言われるんです。
――今は皆さん、乳がんをされたことをご存じなんですか?
知ってる。私たちの同じくらいの年ごろの人たち、よく冗談で言うんだけど。でも、早くて良かったんだなと思ったりしてね。
――最初はあまり周りに言えなかったっておっしゃってましたね。秘密にされてたんですか?
恥ずかしくてね。私たちがやったころは、こうして乳房を取ったといえば、本当に人が騒いだようなあれだったからね。
――がんという病気じゃなくて、乳房を取ったということが。
がんも。
――がんそのものも。
がんそのもので取ったということになるでしょ。本当に恥ずかしいと思った。
――どれくらいの方が知ってたんですか。お話しして知らせてたんですか。
家族と隣近所、親戚の人たちね。大変だと思ってね。
――それ以外の人には話さないで。
話してもらいたくないと思ってね。
――今ではほかの人にも話をして?
かなり広がってるから、よその人たちもあるから、今だと、あっちの人が手術したとか何とかっていえば、「あ、そう」というぐらいのもので。
――話せるようになってきたというのは、どういう、最初、話せなかったですよね。隠したかった。
そう。隠してあったんだけど、だんだんとよその人たちも、手術だとか、手術で遅くて亡くなったとかという人もいる。そういうのを聞いてから、だんだんに自分にも自信がついてきたというのかな。