診断時:40歳代前半 インタビュー時:診断から19年(2009年) 性別:女性 保健医療圏:上十三地域 世帯状況: 備考: |
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――ご家族とかご親戚では、話題にしないという状態だったって、最初おっしゃって。
手術する前はね。
――今は?
何も何も、それはもう。
――普通に話題にできる?
手術したときでも、みんな見舞いに来たりしてしゃべっているから。ただ、私がなっているんじゃないかなって言われたときは、みんなで何て声をかけたらいいかなと思ったんじゃないの。乳がんで大変だなって言ったら、何て思うか。相手を傷つけるっていうことを考えたんじゃないかな。
――そういう想い合ってくれて。
だれも何も触れなかったの。
――触れないで。
おばあちゃんは多分、お母さんはこうなんだってよ、がんかもしれないよっていうことは言ったと思うけども、でも、お父さんの兄弟はだれも何も言わなかった。
――お子さんは?
2人。
――お二人いらして、お話ししたんですか。
下の子はちょうど高校に入るときだったので、上の子はもう社会人だったけど、男の子2人だから。そうだね、やっぱり。上の子はもう、勤めていたからね。下の子はもう動揺していましたね。
――この8月の手術のときは中学3年生ですか。
いえ、高校1年生。
――そのときで高校1年生。
上の子はもう社会人でした。
――動揺していました?
やっぱり下の子はね。私は「がんです」って言われたときに一番先に考えたのは子供のこと。悪いんだけど、お父さんのことでもない。子供。(笑)4月に高校に入ったばかりだったから、「入ったばかりなのに、もし、このまま私が亡くなったらどうするんだべな」って。それが高校生だったけど、それが一番気になりました。
――一番気になった点。
本当は、お父さんのことを一番に考えなければならないんだけども、やっぱり自分の分身が。(笑)
――下のお子さんが特に。
上の子は社会人になってたから、何とかね。下は今、高校に入ったばかりだし、どうしよう、私が死んだらっていう頭が先に。
――最初にお子さんのことね。
そうそう。やっぱりね。男の子だけども何かそう想いましたよ。
動揺して……。
すごく想いやりのある子というのか、お母さん子っていうのか、男の子でもそんな子だったから。小さいころから、どうでも、「バナナのたたき売りでもないべ、お母さん、お母さんって言って」ってみんなに言われるくらい、お母さんべったりだったから余計にね。
――ずっと心配だったでしょうね。
一番最初に考えましたね。そういうのも考えたから、先生にうつ病になるんだよって言われたんです。
――でも、お子さんたちにも全部正直にお話ししてたんですか。
そうです。乳がんだって聞いて時点で、みんなおばあちゃんとお父さんとか、上の子、下の子、それはちゃんと伝えたから。