診断時:40歳代前半

インタビュー時:診断から31年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:上十三地域

世帯状況:

備考: 

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手術して、一番最初に鏡に向かったときはビックリしましたね。それがまず一つね。

 

今でもやっぱり、乳がんになってからもずっと婦人部引率で日帰りバス旅行で行くんですね。そうすると、ご飯を食べに温泉に寄ったりするでしょう。風呂に入るのはやっぱりできませんでした。たまに、「今日はわも(私も)入る」と一緒に入ったりしたこともあるけども、10回行けば5回くらいは入らないね。やっぱり、どこかみんなに見せるのが嫌なんだよね。いくつになっても女ですからね。

 

――人の目が気になるというのもおありなんですかね。

 

そうそう。今でもやっぱり、進んで「行こう、行こう」とは私は言わないです。60歳以上の「C会」という会の責任者にもなっているんですが、それも毎年、温泉旅行に行くんですけれども、日帰りで、入浴料も入って3,000円か3,500円なんですが、入浴も何もしないで3,500円を払って、大きな口を聞いて、「あんたら入ってきて」って人には勧めるけど、「私は帰るあたりに入ってくるべ」みたいにして、でも、入らないで来るときも多いです。めったに入りません。

 

――そうですか。患者さんによってはそういうのがすごく心の傷になられたりとか、そういう方もいらっしゃるみたいなので。

 

でも、それはそのときで、全然気にしないということでもないけれど、あまりどうってことはないですよ。若い人はそうだと思うけども、もうある程度子育ても、私は42歳だったから、そんなに必要なくなっているものね。これから子供を育てるとかがあれば気にするんでしょうけど。

 

「患者会」で、前は日帰りバス旅行の中に、入浴シーズンもあったんですよ。みんなに見せ合ってやっているんです。

 

――「患者会」の皆さんで?

 

そうそう。そういうバス旅行は私はいいなと思って、微笑ましいなと思って。

 

今、高齢者向けに「元気でいつまでも長生きしよう」ということで、「D会」というのをやっているんです。お風呂に入って健康体操をして、おしゃべりをして、持って行ったお弁当を食べて帰ってくるというのを市のほうでやっているんです。その「D会」に、うちのほうの会から何人か行っている人がいるんです。でも何となく嫌だよって、言ってるんですよ。だから、60歳になっても65歳になっても女は女ですよね。