診断時:70歳代前半

インタビュー時:診断から2年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:青森地域

世帯状況:

備考: 

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会に入ったら、いろいろな人たちからいろいろなことを聞いたら吹っ切れたというのかな。「ああ、そうか。私は、手遅れであれば2年の8月で、ここで亡くなった人間なんだ」と。

 

テレビか何かで、がんになった人は早期発見だとそこから第2の人生が始まる。早期発見でなければそこで命がなくなることですよね。そしたら3年間、死んでれば、3年忌だったんだとか、5年だったんだと思うと、もうかった命だということをテレビか何かで言ったのを聞いたのね。「はあ、本当だ、それだ」と思ってね。それと、会に入ったのとで吹っ切れたよね。

 

だから、自分はがんになって、早期発見だから助かって、今、生きているんだし、そのときに手遅れであれば、それから1カ月何ぼで亡くなっている人もいますよね。じゃあ、もうかった命なんだと。テレビの何の番組か忘れたんだけども、それをかけたときに、自分ががんになっているから、がんの何かのテレビが入っているとすぐ集中して見てるわけ。何の先生か、テレビの講演であったと思うんだけどもね、その時点で、早期発見で助かったということは、第2の人生がそこから始まって、命がもうかったんだと。それが早期じゃなくて手遅れであれば、その時点で亡くなっているんだって。もうかった命が、第2の人生がここから始まると思えば気持ちが楽になっていくというのを聞いて、単純なほうだから、「そうだ」と思って。(笑)この会に入ったのもあって、精神的にもグッと変わりましたよね。

 

――それまでずっとつらい?

 

そうそう、疑っているというのかね。どこか悪いと「あっ、がんかな。こっちに転移したんだがな(したのかしら)」とか。そういうのに敏感というか、常にそういう感じだったですね。

 

――ちょっとしたことでも、がんだって。

 

がんがそっちに行ったかなっと思って。

 

――転移を考えちゃって?

 

転移してないって言ってたけど、転移したんだというようなその繰り返しだったけど、4月にこの会に入ったのと、テレビで、何かの先生の講演を見てて、「がん何とか特集」をやっていたのを聞いて、それで吹っ切れましたね、自分ではね。私は単純なほうだから、それを聞くと「そうか、そうだ」と思って、やるともやらねばという感じだからね。

 

――納得できたんですね、それで。

 

そうそう。それからはもう、生きた分が自分の命なんだ、もうかった命なんだと思えば、すごく気が楽になりましたね。だから、どこか具合が悪いときはすぐに行って診てもらう。それに専念すればいいんだっていう。

 

あと、半年に1回、検診に行ったときも、「異常ないですよ」って言われるとホッとしてね。「もし何かあったときはらまた来てください」って言われると、「ああ、そうなんだ。何かあったときは来ればいいんだ」と、そういう感じでした。

 

――不安な、大変だった時期を終えて、春くらいまで。

 

そうそう。1年はかからなかったと思うけど、約1年近くは不安でした。