診断時:70歳代前半

インタビュー時:診断から2年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:青森地域

世帯状況:

備考: 

下↓の▶ボタンをクリックして音声を聞く事ができます。

 

――その一番不安だったときというのは、本当に長い期間で、大変だったと思うんですけども、支えになったことって何かありましたか。

 

支えになったことですか。私は、今はパン屋さんに行っているけれども、前はパン屋ではなくて、麹屋さんていう、麹をつくるところに行ってたんですね。

 

――麹? お酒の?

 

お酒つくるときの麹。そこに勤めてて、がんになったから、そこは麹をつくることから店で売るというのをやっていたから、そこの奥さんが、私がうつ病みたいになっているのを知っていたみたいで、「うちに来て。2時間ずつでいいから」って。「朝の10時から12時まででいいから、うちに来て店番して。私、商売に出て歩くから」って、それで出ていったのが良かったのかもわからない。

 

そうでないと、おばあちゃんと2人でずっとしているから、何か息詰まるような感じもしたし。元々、外に出て仕事をするのが好きだったから、「2時間、薬代くらいは働いてもいいか」と思ったりしてね。それで吹っ切れたのもあるかもわからない。

 

もう、ずっとだったら疲れると思うから、10時から12時までとか、だんだんに9時から12時に。それから、9時から行って午後の2時ころまでとか徐々に徐々に延ばして。お客さんが来ると、私も知らないふりして、前からいた顔をして「はい、いらっしゃいませ」とかって、にこやかに笑って接していると、だれも「あんた、病気したんだって」って言う人もいないし、お客さんは知らないから。それで救われたかもしれない。

 

家にばかりいるよりは、出て、帰って来て、おばあさんがいるんだけれども、ちょっと疲れたから1時間くらい横になってからご飯支度をするとか。絶対におばあちゃんのいる前で寝るとか、足を崩すとかもできない感じだったのが、「おばあちゃん、悪いけども、私、1時間横になってからご飯支度するから」って言えば「いいよ」って。そのままグーグー、疲れているでしょ、やっぱりね。1時間眠って、ご飯支度しないとっていう気持ちがあって、2人の人だったらずっと寝てると思うけども、起きて、ご飯支度して、その繰り返しだったの。それで私は救われたと思う。

 

人と話すのが好きだから、お客さんが来ると、お客さんは何も知らないから、「ちょっと見なかったね」とか言うの。「ちょっと休憩したの。リフレッシュしたの」。こういう体型だから、「どこをリフレッシュしたの」「気持ちのリフレッシュしてきた」って。太い体しているから、どこリフレッシュしてきたかわからないから。(笑)