診断時:70歳代前半

インタビュー時:診断から2年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:青森地域

世帯状況:

備考: 

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足も悪いし、大変な後遺症は出るけれども、それは、こういうふうな病気をした場合、特に、自分が好きなことをするというのが最高です。

 

お金もかかるし、日数もかかるけれども、その問題でない。自分の好きなことをするというのが、韓国のチェジュ島をもし歩けたら、あと、11月のギリシャ。

 

だって、お金の使い道というのはドドッと出るけれども、今までずっと行きたくて蓄えたお金だから、大きな病気をすれば、それこそ旅の分だけかかると思って、私はもうそれは何よりの薬になると思う。

 

フランスのエッフェル塔の、ここの展望台のもう一つの展望台、六甲山の神戸のあれよりも、函館山のあれよりも、何よりもすばらしい。モンサンミッシェルってご存じ? 泊まったんです。いやあ、あそこの上まで行くのに石段が、これはどんな病気にも打ち勝てるというくらい苦しくて苦しくて、あの石段。何百段登ったか、手すりがないし、ここに修道の人たちが一生懸命お務めしたところなんだなと思って、雨にも降られたけども、いやあ、苦しかった分だけ思い出になった。スイスの山を見たら、こんな小さな病気のことでくよくよするなんて、おバカさんだなと思ったりしてね。旅はすべてを忘れさせてくれて、「ああ、頑張らなくちゃ。病気に勝たなくちゃ」という気持ちになって。

 

次、いついつどこの募集があるっていえば、それを目当てにもう、これまた行かなくちゃと思ったりしてね。添乗員さんはまた同じ人かなと思ったりして。いつも海外の添乗員さんは女性の人で、すごく気を遣ってくれる人なので、私がいつも参加するときは一番の長老者だはんで(長老者なので)、12時間乗りますものね。だから、団体さんは本当は通路の席は取れないんだけれども取ってくれてね。12時間は長いし、海外の飛行機によっては、シートにテレビがないのがあるのね。ついているのもあるけれども。この間、スイスに行ったときの、ドイツの飛行機は目に入るものが何もなくて、飽きて飽きて、そういうのもあったけども、でも、旅のいい思い出。

 

失敗もあるけれども、転んだりしてね。ドイツのお城の石畳で思いっきり転んで、外国の若い女性が手を延べてくれて。(笑)日本人もいたんだけれど、やっぱりあちらの人って、そういうしぐさが慣れているんだよね。ボランティアというか、ドイツ人に「サンキュー」って英語でしゃべってしまったけれども。その後遺症が、右ひざがまだ痛いんだけれども。(笑)それでも私は旅が一番。何を着るとか何を食べるとかというよりも、物としては何も残らないけれども、旅が一番。大妙薬ですね。効くもの。