診断時:40歳代後半

インタビュー時:診断から21年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:上十三地域

世帯状況:

備考: 

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そうですか、私は好きなことができているだけでありがたいなと思っておりますので、この病気に感謝しているんです。(笑)病気をしなかったらもっと自分を粗末にしていたと思います。病気をしたから大事にしています。今も年中無休なんですが、たまたま休んでいますが、若い人たちには体は気をつけてと言っているんですよ。若いときに無理をすると、どうしても、年を取ってきますでしょう、主人も本当に飲んべえで、肝臓を悪くして、特に一人になると食事もあれで、早く亡くなりました。

 

だから、そういうのには十分に気をつけるように、子供たちには言っているので、少しはいいかなと思うんですけれども、外に出るとどうなっているかわかりませんけども。

 

――そうですか。わかりました。いろいろとご病気されてから大分たっていらっしゃるから、Aさんの中でもご自分のものとして受け止めていらっしゃるんですね。

 

そうです。この病気の苦しみとか、つらさというものも忘れたというか、それよりも私はこの病気をしたおかげで、すごく自分がわがままになって、いろいろできるようになったんだって、自分を変えられたというか、病気をして良かったと思います。

 

――良かったと思えるようになるまで、お時間はかからなかったですか。

 

入院してからわかったんですよ。病院ってすごくいいな、病気して良かったなと。退院して家に帰っても、私はみんなが認めてくれたと思っているんだと。だから、少しわがままをしてもいいんだと。そういう性格的なものがずっとつきまとって、自分をだめにしてましたので、その病気をしてからちょっと強くなって、今こう考えられるようになったんですよ。

 

――生き方を変えられたというか、ご自分を大切にできるようになったんですね。

 

そう。それまでは粗末にしてました。もう、どんなことがあっても自分は寝込んだり何したりしてはいけないと、するものじゃないと思っていました。とにかく死ぬまでそんなに自分勝手なことはするものじゃないと思って、しちゃいけないと思っていましたので、病気をしたおかげで良かった。

 

それでも風邪とか、盲腸とかだったら大した理由になりませんよ。だけど、今は本当にこの病気の重さが私を変えてくれた。そのおかげで病気に感謝しております。病気をしなかったら、もっと弱って、だめになっていたかもしれませんよ。死んでいたかもしれません。